お問い合わせ バナー設置のお願い
トップ > 事業内容 > 2017 > 食育×科学 れしぴ研究所
2017年度 助成団体

助成プログラム A「食育活動」

1. 一般社団法人DRYandPEACE 2. 特定非営利活動法人 NPOホットライン信州 3. 公益財団法人 京都YWCA ▶ 食育×科学 れしぴ研究所 5. 特定非営利活動法人 食生態学実践フォーラム 6. 特定非営利活動法人農業情報総合研究所 7. NPO法人ファミリーステーションRin 8. NPO法人森のライフスタイル研究所

助成プログラム B
「食を通した居場所づくり支援」

9. あいち子ども食堂ネットワーク 10. あさひ子ども見守りネットワーク 11. 特定非営利活動法人市川子ども文化ステーション 12. さくら通りこども食堂アドシュガー 13. さくらの庭子ども食堂 14. 特定非営利活動法人さっぽろ福祉支援ネットあいなび 15. 特定非営利活動法人サポートハウス年輪 16. 学校NPO 珊瑚舎スコーレ 17. 特定非営利活動法人 地域たすけあいの会 18. 一般社団法人 寺子屋いづみ 19. NPO法人ほっとすぺーす・つき 20. NPO法人南河内こどもステーション
2017年度 食育活動

食育×科学 れしぴ研究所

わくわくした科学実験を通して、食の大切さを伝えます。

「食育活動」と言うと料理教室や農業体験等になりがちだが、「教室」や「体験」だと受け身になってしまう事もあり、 “自ら考える”機会が得にくい。 そこで私たちは新たに、「科学」を融合させた食育ワークショップを展開する事を考えた。科学実験という目に見えて変化を感じられる現象を食育と絡め、自ら考え実践する“体験型のワークショップ”を展開する事で、子どもやその親が自ずと食に関心を持てるようなきっかけづくりを行う。また科学原理の解説はきちんと実施し、科学原理の解説時にはオリジナルスライドを利用している。イラストを沢山使いながら、分かりやすく科学原理を解説する事で、楽しく学びながら「科学への関心」も高めている。
食育×科学 れしぴ研究所
代表者:鹿島日布美 
所在地:東京都

設立年月日:2016年4月4日(活動自体は2013年5月〜)
連絡先:recipe.ken3@gmail.com
URL:https://www.facebook.com/reshipiken/
助成申請事業名:科学を通じた食育ワークショップ事業
助成金額:40万円
助成事業概要:
継続的な食育教育・科学教育の場の提供と発信(親子を対象とした科学を通じた食育ワークショップの開催)

【ワークショップ名】
実践例:科学の力でラーメンを作ろう!

【対象】
小学生とその保護者

【内容】
・アルカリ性を学ぶ
一般的にラーメンに用いられる中華麺は、製造する際に「かん水」を使用します。
かん水は、主に炭酸カリウムと炭酸ナトリウムを含有し、アルカリ性の性質をもちます。
この性質によって、中華麺の特徴的な黄色の度合い、独特の香り、コシ、縮れが生まれます。
そこで、かん水の代わりに同じアルカリ性の性質を持つ「重層(食用)」を用いて、中華麺作りを通して中華麺の色やコシがうまれる原理を実際に学習します。

・基本味「五味」を学ぶ 
 ラーメンのスープのうま味を左右する出汁を試飲することで、出汁の科学的な相乗効果を体感しながら、出汁の歴史や減塩効果、基本味の五味を学びます。

【原理】
かん水は、主に炭酸カリウムと炭酸ナトリウムを含有し、アルカリ性の性質をもちます。
炭酸水素ナトリウムである重曹は、加熱により炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に分解される。この炭酸ナトリウムは、かん水と同じ強いアルカリ性の性質をもちます。
その性質により、小麦粉に含まれる「フラボノイド」は黄色に発色します。
また、小麦粉の含まれる「グルテン」はアルカリ性によって性質を変化させ、コシがうまれます。

 旨味の成分には、昆布などに含まれる「グルタミン酸」、かつおなどに含まれる「イノシン酸」、しいたけなどに含まれる「グアニル酸」などがあります。
これらのうま味を組み合わせることにより、1種類のみの単独のうま味よりうま味が数倍の強さになります。これを「うま味の相乗効果」といいます。
濃度を一定にしたグルタミン酸溶液とイノシン酸溶液を1:1の割合で配合した場合、単独のうま味より約7倍のうま味になります。


【当日の様子】
原料を混合して麺をこねて麺棒で伸ばした麺作りを行い、ラーメンを食するまでの工程の中で、科学的な原理や食の知識を学ぶ2時間半のワークショップ構成になります。

主に学ぶ内容:
アルカリ性の性質とその性質によって麺に起こる効果、基本の五味の種類、出汁歴史と相乗効果


一般的に、中華麺の特徴的な色やコシは、アルカリ性の性質をもつかん水によってうまれることを学びます。
しかし、今回はかん水を使わずに「魔法の粉」を使って調理をするということに…。
「魔法の粉って何だろう・・・?」と参加者に問います。
この時に、参加者の親子が食について話すコミュニケーションの場を作ります。
疑問を持たせ自由な発想からうまれる発言を拾いながら、親子でのコミュニケーションを促します。

次に、調理作業の工程を分かりやすく丁寧な説明に沿って進行します。
薄力粉、小麦粉、塩が入った袋に「魔法の粉を溶かした透明な液体」を入れて、手でこねます。こね続けて固くなった生地を丸めて寝かせます。

生地を寝かせている時間に、
魔法の白い粉は片栗粉でも砂糖でもなく、重曹であることを伝えます。
名称を伝えるだけではなく、科学の原理を交えながら、かん水の代わりに重曹が代用できる理由を、参加者が食と科学に関心を持てるように、わかりやすく楽しく伝わるように展開します。

麺を伸ばして包丁で切る工程では大人の力が必要となり、同じゴールを意識し合いながら協力し合う様子が親子間で伺えます。
また、講師や親子とのコミュニケーションによって、参加者の会話から参加者は自身が作った麺に愛着を持ちながら、「美味しいラーメンを作りたい」という期待の気持ちや食と科学に対する感心が高まる様子が伺えてきます。


ラーメンの美味しさを決めるポイントとして、味の話に発展します。
参加者に好きなラーメンの味を聞き出します。
子供の好きな具材の話題や男性の保護者の年齢層に合わせて有名チェーン店の味の話を織り交ぜて、味からうま味について話を発展させます。
5つの基本味のお話から始まり、その中の1つ「うま味」について詳しく学習していきます。

出汁の歴史、うま味の発見者が日本人であることなど出汁の背景を話します。
次に、昆布などに含まれるグルタミン酸、かつおなどに含まれるイノシン酸、干しシイタケなどに含まれるグア二ル酸を組み合わせるとどう味が変化するのか、「うま味の相乗効果」がうまれる組み合わせや減塩効果をかわいいイラストを用いたオリジナル教材を用いて紹介します。他にも身の回りの料理や食材にはどのようなうま味が含まれているのかどうかを親子で考えます。

当日の試食に用意した醤油ラーメンスープに含まれる出汁を意識しながら
最後に4種類の出汁を飲み比べました。
親子でそれぞれの出汁を好きな配合で組み合わせて試飲する時間では
・ 少し塩を入れることでうま味が強くなる
・ しいたけ出汁はうま味が他に比べて弱いが、他の出汁に入れるとうま味が出てくる
など様々な発見の声を聞くことができました。
親子で話し合いながら好きな味を作って同じ味を楽しむことによって、出汁の話に夢中になる様子が伺えました。
「食を通して親子で食の会話が生まれる時間」を作ることができました。

ラーメンの盛り付けには、
卵、チャーシュー、メンマ、コーン、もやし、ねぎ、さくらえび、のり、バター、にんにくを用意しました。
ラーメンのスープは、醤油スープか味噌スープのどちらかを親子で選び注ぎました。
参加者それぞれが好きなトッピングとラーメンスープを選ぶことで、オリジナルラーメンを作ることができました。

親子でラーメンを食べながら、
・ 目で見る麺の色
・ 舌で感じる麺のコシ
・ スープに含まれる出汁の味
・ 家で他にも楽しめる出汁料理
などを話題とした親子でじっくりと振り返りながら考える会話を聞くことができました。
このように、食と食の科学を通して食について学び、親子の会話を生まれる瞬間を生み出すことに成功しました。

これからも、親子が食と科学に対する関心をもちながら、楽しく交流できる場づくりを行います。

(食育×れしぴ研究所ブログより:https://ameblo.jp/recipeken2016/entry-12356082973.html)
(当日の様子動画ver:https://www.youtube.com/watch?v=0SH2tv0O0gc&feature=youtu.be)
2018年05月14日 中華麺 完成!
2018年05月14日 親子で協力して、中華麺の生地から作りました!
2018年05月14日 講師と参加者の様子
参加者の声 ・みんなで料理を作ったり、材料のひみつを知ったりしたことが楽しかったです。(小学校2年生)

・麺をこねて、一から全部自分で作って大変だったけれど、楽しくてまたやりたいと思いました。(小学校3年生)

・とても楽しくおいしくできました。単なる料理教室ではなく、子供も興味を持って取り組んでいました。ありがとうございました。(保護者)

・重曹の加熱による分解、うま味成分の種類が数多くあるなど、新たな知識を親子で得ることができ、有意義なイベントでした。また参加したいです。(保護者)

最新情報はこちら